Arbinger Blog

2018/03/30

□アービンジャー「箱」NEWS【Vol. 454 】 2018/3/30

こんにちは!
アービンジャー・ジャパンの田染です。
皆様、いかがお過ごしですか。

福岡は桜が満開です。
毎年このシーズンは風が強かったり寒かったり雨が降ったりと、
天気に恵まれることが少ないのですが、
今年は暖かく良いお日和が続いています。
桜はいいですね。
みなさん、お花見は済まれましたか??

では、今週のメルマガは私、田染が担当します。
田染美穂子の詳しいプロフィールはコチラ↓↓↓

田染美穂子

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■  わたくし事ですが・・ : 田染美穂子
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私事であるが、8月で「箱」の仕事に携わってまる10年になる。
私の職歴の中でも断トツの長さである。飽きっぽい私が退屈することなく、さらに深みにはまっていったこの仕事との出会いについて振り返ってみた。

当時の私にとって働くことは、最大の自己表現の場でありストレスでもあった。

私の周りには無責任でやる気のない人が多いと感じていた。そのせいか、人のことが信用できず正しい判断ができるのは自分しかいない、ならば私がやるしかない!そう決意し時間を惜しんで働いた。一番努力しているのは自分だと信じて疑わなかった。
なのにどうしても組織はうまく動かない。それなりの結果しか出ない。退職者が出た時には裏切られたような気持ちと、相手が仕事をできないことや無責任さが証明されたような気持にもなった。

私がこんなにやってもうまく行かないなら、原因はできの悪い部下にあると考えた。上司の指示がまずいからに違いないと思う。しかし、どんなに相手を責めても誰のせいにしても現状がよくなることはなかった。
何が原因かさっぱり分からなかった。
環境のせいかもしれないと思いつき転職を試みた。何度もやった。でもなぜかいつも同じ状況に陥った。無責任でやる気のない人たちが私の周りにいた。その度にたくさんの本を読みスキルを学び、厳しくしたり褒めたり業務改善したり、あらゆることを試してみたが、望むような結果を得ることはできなかった。少し成果が出てもすぐに元の状態に戻っていった。

最後には、これは仕方のないことなんだと考えた。環境や部下に恵まれず上司にも理解されない、こんな状況は自分を高めるために用意された試練なんだとも思った。
そしていつしか周りを遠ざけ自分から孤立を深めた。

そんな時、一冊の本に出合った。
タイトルは「自分の小さな箱から脱出する方法」。今から11年前になる。
私のこのような状態は「自己欺瞞」というものであると教えられた。

優秀なリーダーになりたい。いつしかその願いは、誰よりも優秀であることを証明する行動に変わった。次第に人を見下し認めないようになっていった。懸命になることより賢明さをアピールし体裁を保つことに終始した。特権を好み独り占めし誰とも分かち合わなかった。しかもそれは当然で、私にはそうする権利があると思っていた。
今考えれば、これがどんなに周りに良くない影響を及ぼしていたかわかる。組織を疲弊させメンバーの希望や楽しみを奪っていたかわかる。
でも当時は気付けなかった。これが自己欺瞞に陥っている状態なんだと、その本が教えてくれた。

衝撃だった。

たった一冊の本で世界の見え方が変わり人生が変わった。自分が間違っていたと思い知らされたのに、なぜか「救われた」と感じた。
涙が止まらなかった。

この本を読み終え、この内容はきっと多くの人に役立つと確信し自分でセミナーを作ろうと思い立ったが、丁度その年にアービンジャーの日本法人が立ち上がると知り、トレーニングを受け2008年にライセンスを取得し現在に至る。

私の人生は「箱」に救われた。
もし出会えていなかったら自分を自分で不幸にし、そして周りの人たちも巻き込んで災難をまき散らしていたことだろう。

今も働くことやその場所は、多くの人にとって苦役に満ちている。
これは人生を大いに不幸にするし関わる人達にも悪影響を及ぼす。確かに辛いと感じることもあるだろう。
でも、もし職場に相談したり信頼できる上司や同僚がいとしたら。成果に向かって苦楽を共にする仲間がいたら。働くことや職場は今とどのように違って感じられるか。
それを改善するすべがあることを多くの人に伝えたい。たった二通りの選択で組織を人生を変えることができるのだと。
組織には同じように自己欺瞞に陥っている人がたくさんいる。それはチームワークのみならず業績や企業イメージにまで影響する。逆に、組織の中の自己欺瞞が取り除かれ良好な関係性が築けたとしたら、それは大きなエネルギーとなって社会へも波及する。
この概念を根付かせ、日本に住む人たちが人のチカラによって勇気づけられ幸福感を感じ、いつも誰かが誰かの事を気に掛けている社会を作っていく。今後もそんなことを念頭に置き取り組んでいきたい。

「箱」とアービンジャーに心から感謝している。

手前味噌ですみません…。

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■ 編集後記
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NHKの朝ドラを観ている。
多くのものが太平洋戦争の時代をまたいだ内容だ。
今週最終回を迎える「わろてんか」もそのひとつ。
今は終戦を迎える1945年3月くらいの時代背景だ。

つくづく幸せなんだと実感する。
財産を没収されることもないし家を焼かれることもない。
赤い紙がきて家族の命を差し出すこともないし、
寒さに耐えながら眠ることもない。
食べるものはいつでも十分にあるし、ひもじい想いなんかしたこともない。

なのに、ただ少しの理不尽や些細な苦しみが耐え難いもののように感じられる。
僅かの努力でより多くを期待する。
人間は本来もっと慎ましく我慢強く生きられるはずだ。
このままではAIにとって代わられてしまうぞ。
あぶないあぶない。
人であることの意義と価値をもっと磨いて、
ロボットの台頭に備えたいと思う。

では、また来週!