Arbinger Blog

2012/11/16

□アービンジャー「箱」NEWS【Vol. 186 】2012/11/16

みなさん、こんにちはアービンジャー・ジャパンの佐藤真一です。

各地で紅葉の便りが聞かれるようになりました。
そうかと思うと、どこどこでは初冠雪なんて便りも。

あらためて日本列島って南北に長いんだ…って感じます。

我が家も来週か再来週には毎年訪れている近くの自然公園に
紅葉を愛でに行こうかと思っています。

さて今日は、「箱」の真ちゃんこと佐藤真一が担当します。
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■ あとから気づく : 佐藤 真一
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「なんでもっと初めからちゃんとやらなかったんだろう…。」

これは箱セミナーを受講してくれたあるクライアントさんの言葉でした。

彼は2年ほど前に大手企業から転職をします。

仕事は技術者。
ずっとソフトウェアの開発を担当していました。
そしてその転職も同じ職種で探しました。

入社後、ある部署に配属されて、それなりに仕事をしてきました。

いや自分ではしてきたつもりでした。

でもなにか違っていたんです。

まだ慣れていないこともあってある部署のAさんに
わからないことを聞きに行ったときのことです。

「あの、すいません。
ここの構造と設計のポイントを教えていただければ…。」

「あぁ、この資料に書いてあるから。」

「資料って、これだけですか…。」

「そう。わかるでしょ。」

と言葉少なく、対応されたそうです。

「なんだよ、あのAさんの態度、
もう少し丁寧に対応してくれたって損しないはずだろう。」

と彼は心の中で思ったそうです。

それから何かあってもAさんの元へは足を運ばなくなります。

また他の部署のBさんはなかなか自分から必要な情報を取りに来ない。
初めは自分から出向いていたのですが、

「なんでいつもオレばっかり行かなきゃいけないんだ!
たまには向こうから来るべきだろ…。」

と思い始め、だんだんとコミュニケーションが
希薄になっていったそうです。

そんな状況ですから、仕事も成果が出るというよりはソコソコ。

上司もサポートしてくれるかと思ったら、そうでもない。

「なんだよ、どいつもこいつも…。」

いつしかそんな思いで仕事をしていたのだそうです。

この彼は自宅から離れ、地方の事業所に単身赴任をしていたのですが、
ある時、奥様の病気が悪化し、
自宅に戻らなければいけない状況になります。

やっと見つけた転職先だから辞めたくはない、
彼もいろいろと悩み考えたのですが、どうにもならず
最後の最後に覚悟を決めて上司に相談します。

「妻の体調が思わしくなく…。
今までなんとか義父母に世話になっていましたが、
自宅に戻らなければいけません。」

「そうなのか…。」

「申し訳ありませんが、退職も視野に入れて…。」

「よく話してくれたね、君は我が社にとって必要な人材なんだ。」

「えっ…。」

「ちょっと僕に預からせてくれないか。
自宅から通える事業所への異動を人事に掛け合ってみるよ。」

「あっ、ありがとうございます。」

上司の対応が信じられませんでした。

と同時に、彼は泣きたくなったそうです。

うれしさもあったのだそうですが、

「なんでオレは今まで独りよがりで、
ちゃんと仕事をしてこなかったんだろう…。
勝手に自分で思い込んでいただけだったんだ…。」

と今までの自分を強く悔いたそうです。

そして彼は異動が決まるまでの間、自分ができることを精一杯しようと
それまでの働きを悔い改めます。

Aさんのところにも自分から出向き、いろいろと情報交換をします。
するとAさんは快く応じてくれます。

「Aさんって冷たいと思っていたけど違っていた…。」

また、Bさんのところにも
自分の仕事に役立っているツールも提供しに行きます。

するとBさんから

「ありがとうございます!
今度、○○の資料を持参しますから、
一緒にアイディアを練りませんか?」

と声を掛けられます。

彼は初めて気づくんです。

「全部、オレが作り上げていた勝手なイメージだった…。
AさんもBさんもなんら変わっていない。
初めからこういう人たちだったんだ…。」

今、彼は、残された期間は短いけれど、楽しく働けていると言っています。

そして異動した先では初めから
こういうふうに働いていこうとワクワクしているそうです。

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■ 編集後記
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このメルマガが配信されるころにはちょうど羽田空港で
鹿児島行きの飛行機に乗り込んでいる頃だと思います。

鹿児島で「箱」のゆる~い座談会=通称「箱会」を開催するためです。
https://www.facebook.com/events/402794686455148/

「箱」の本を読んでいてもいなくても、
箱セミナーを受講済みでも未受講でも、
どなたでも参加できるゆる~い座談会。

堅苦しいルールはありません。

ただ、

「他の人が話している内容を否定をしないこと。」

そして、

「じっくりと聴くこと。」

お近くの箱会をぜひチェックしてみてくださいね!