Arbinger Blog

2009/12/25

□アービンジャー「箱」NEWS【Vol.39】2009/12/25

メリークリスマス!!
先日ステキなクリスマスの話
「シークレットサンタ」さんの話↓をTVで知りました。
http://www.personslink.com/secretsanta.html

「クリスマスはだれもが幸せになれる日なんだ」
キャーすてき!!
与える幸せってのもあるんですね。

今日の担当は、わたくし仲井京子です!

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■ 大したことはない : 仲井 京子
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よく、まわりは「それは大変だったでしょう?」
とか、「勇気ありましたよね」
といってもらうことでも、当の本人からすれば
ん?全然大したことなかたけど ってことありませんか?

箱セミナーでは小学生時代の思い出とか、とんでもなく昔の話が
聞けたりするのですが、そこで私自身の小学生時代の
ある出来事を思い出した。
私が小学校の高学年だったころに
となりにひっこしてきた同級生のK君のことだ。

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■ 涙をみたときに
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よりによってKは同じクラスに・・
はっきりいってあたしには迷惑なことだった。

というのも、住んでいた団地は1軒家であるものの
隣の声とかはまるぎこえ
あたしは姉との喧嘩や親との喧嘩がはげしく
そんなプライベートがまるぎこえ、まるわかりとなる者がクラスにいて
それがみんなに面白おかしくしゃべられたらたまらない!

やんちゃで面白く、頭もよいKはたちまちクラスの人気者。
ふつうなら一緒になってさわぐあたしも、Kに対しては
いつKがあたしの家のことを暴露するかといつもビクビクしていた。
そして、Kとはできるだけ距離をおいていた。

Kの家はあまり裕福ではなかった。
どちらかといえば貧しく、彼はいつもよれよれのポロシャツをきていた。
ところが、ある日、パリッとしたカッターシャツを着ているではないか・・

どうやら、その日、Kの作文か何かが、コンクールに入選したらしく
担任の先生と一緒に表彰式にでるとのことだった。
「オカン(←Kが呼んでいる母親の呼び名)、がんばったな・・」
あたしはシャツを見てそう思ったことを覚えている。

そして休憩時間、KとクラスのS君がとっくみあいの喧嘩をしていた。
いつものことだからあたしは全然気にしていなかったが、
なにやらクラスのみんなの人だかりができている。
気になって見に行くと、
喧嘩のはて、なんとKが泣いているではないか!

ふだん喧嘩なんかで泣かないK
見るとシャツのポケットがやぶられていた。
「オカンにわるい・・」
Kの感じていることがあたしには痛いほど伝わった

「かして!」
あたしはとっさにKのシャツをぬがして
家庭科室にかけこみ、ミシンでポケットを縫った。
(あたしの母親は洋裁をしていたので、家にはミシンがあり
あたしはミシンがけっこう使えたのだ)
Kはそれを着てそのまま担任と一緒に表彰式に出かけていった。

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■ 考えるより感じる
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「あんた、いいとこあるやん」
翌日、母親がめずらしくあたしをほめた。
どうやら、Kのオカンが家にお礼にきたらしい。

Kがオカンに言ったのか
はたまたオカンがポケットの雑なミシン目をみてKに
問い正したのかは知らない
あたしは気恥ずかしくって「べつに・・」と母親にいいはなした。
ぜんぜんいいことした覚えはない。あたしに
とって大したことではない。
ただ、気が付くとそうだったというくらいで。

思ったこと感じたことを「する」ということを
箱セミナーでは教わるが、
箱の外での行動がなかなかできないという。
勇気がいるという。

よくわかる。

でも、この思い出は
相手の気持ち、状況を感じることさえできれば
自然と行動ってできるんだって、
そんな希望を○十年後のあたしに与えてくれる。
あたしは今でもあのKが泣いていたシーンだけは
思い出すことができるのだ。
そしてその涙の意味に共感することが出来る。

いかがですか?
みなさんも大したことした覚えのない経験ってありませんか?
そのときどんなことを感じました?

「「理動」という言葉はないんだ
感じたときに人は動く、だから「感動」というんだ。」
心理学者 衛藤信之さんがおっしゃっていましたが
こういうことかもしれません。

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■ 編集後記
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さきほどのKのその後ですが、
中学まで悲しくも一緒でしたね。

あいかわらず勉強もスポーツもでき、
オトコにもオンナにもモテてた彼
よくクラスの子が家にもあそびにきていたが
結局、あたしの家のプライバシーはずっと守られた。
彼は一度もあたしの家のことは話さなかったのだ。

表面上はあまり仲良くなかったあたしらだけど
そこんところは何か暗黙のルールが成立していたみたいだ。
へたしたらイジメの対象にもなりかねない
おいしいネタがいっぱいのわが家
Kにはとても感謝している。

高校は別になり、
大学以降はKも県外にでたし、あたしもその後は家を出たので
その後はしらないのだが
ある日実家に帰ると、となりのK家はひっこしていた。
母親から聞いたのだが、どうやら結婚したKが自分の家を持ち
オカンにいっしょにくらそうとよびよせたらしい。

Kらしい(笑)

それではよいお年を!