The Arbinger Institute

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□アービンジャー「箱」NEWS【Vol. 154 】2012/04/06

みなさん、こんにちはアービンジャー・ジャパンの佐藤真一です。

4月ですね!

今年は天候のせいか桜の開花が遅れていたようですが、
東京都内ではようやく今週末あたりは絶好のお花見となりそうです。

私の近所ではまだもう少しかかりそうですが。

みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

それから4月と言えば新入生や新入社員。
街でもそんな姿をよく目にします。

二十数年前はオレも着慣れないスーツを着ていたんだなぁ…。(笑)
四十年前はオレもランドセルで…。

さて今日は、「箱」の真ちゃんこと佐藤真一が担当します。

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■ 「これ、何に見える?」 : 佐藤 真一
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まだ私がエンジニアとして働いているころ、
あるプロジェクトを任されました。

そのメンバーの中には、営業部門の先輩もいて
居酒屋かなにかで飲みながら話していた時のことです。

「おい、さとう、これ何に見える?」

と飲みかけのビールジョッキを指して、その先輩が突然私に聞くんです。

「えっ、さっき注文した生ビールですよね?」

と躊躇なく答えたら…

「違うよ、オレンジジュースだろ?」

という耳を疑うような答えが返ってきて、

「何を言っているんですか、これはビールですよ。
もう酔っぱらったんですか?」

と笑いながら返したら、

「バッカだなぁ、これはオレンジジュースなんだよ。」

と真面目な顔して先輩は返してきました。

「まったく、からかわないでくださいよ。」

「いや、からかってなんかいないさ。オレは真面目に言ってるんだ!」

「何を言ってるんですか、これはビールですよ。」

「いや、これはオレンジジュースだよ。わからない?」

「はぁ?だってこれはビールでしょ?
アルコールだって入っているし、泡立って立ってるし、
それに匂いだって…ほらホップの香りでしょ。
だいたいオレンジジュースをジョッキで出すわけないでしょ?」

「だからダメなんだよ、エンジニアは。」

「なんで???
信じられない…。成分分析しましょうか?」

「ほらほら。なんもわかってないなぁ、お前。」

まぁ、こんなやり取りでした。

いや、だっておかしいでしょ、ビールをオレンジジュースなんて。

おそらく私はできるものなら成分分析をして、
アルコール○%、CO2は○%、その他の成分は…と先輩に突き付けて、
それが正真正銘のビールであることを証明したでしょうね。

そこまでやらなくてもたいていの人は
それをビールだと疑わないでしょう。

でも、実はそんなことじゃない。

確かにそれが正しいかもしれない、

客観的な事実かもしれない。

ただし、それはあくまでも私の論理。

一方では

「これはオレンジジュースだろ。」

と真面目に言っている先輩がいることも確か。

いわばこれもその現場で起きている客観的な事実のひとつ。

それを

「なんで???おかしいだろ。」

とやったらそこで終わるんですね。

そう、否定した時点で終わるんです。

「あなたの言っていることは間違っているから、私はもう聞きません。」

とした時点で終わるんですね。

先輩は続けました。

「さとう、お前はビールだと言っている。確かにそうだ。」

「なら、なんで…。」

「まぁ、聞けよ。
オレたち営業はさ、いくらこれがビールでも
トップがオレンジジュースだと言ったらそう動くときもあるんだよ。」

「えっ、そうなんですか。
でもそんなの納得できないじゃないですか!」

「そうだよな、オレも初めはそう思ったよ。
ただ、世の中正しいか間違っているかということだけではない。
もちろんそれも大事。でもそれだけでは人は動かないんだよ。」

「はぁ…。」

「お前らエンジニアとして正しいことを追及するのが
仕事かもしれないが、それはお前らの視点だ。
オレたち営業はそれだけじゃない。
いや、そうじゃないことが多いかもしれない。
どちらがいい悪いじゃなく、
確かにそういう文化や世界もあるってことなんだよ。」

「はい…。」

「たとえ相手が間違っていても、
それを受け止めることを拒否した時点で終わりだよ。
オレたちのプロジェクトは相手をわからせるのが仕事じゃない、
相手に考えてわかってもらうことが仕事なんだよ。」

こんな感じのやり取りでした。

確かに私の中には方程式がある、
でも相手の中にも違った方程式がある。

それを否定した時点で終わる。

相手がどうしてそう考え、そう思うのか、
その背景や経緯には何があるのか、

これに思いがいくといろいろなものが見え始めるんですね。

私が人生の中で受けた大きなカルチャーショックの中のひとつであり、
仕事をしていく上でとても大切な視点を得た出来事でもありました。(笑)

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■ 編集後記
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春ですね。

我が家の庭のシラカバには巣箱がかけてあります。
数日前からシジュウカラが巣作りを始めました。
枯草や枯れ枝、フワフワした毛のようなものを何往復もして運び込んでいます。

その姿は愛くるしくもあり、またたくましくもあり。

YouTubeにもアップしましたのでよろしければご覧ください。

無事に進めば5月の後半にはかわいい若鳥たちが巣立っていくことでしょう。

我が家の春の楽しみがまたひとつ増えました。