The Arbinger Institute

We Change Mindset

□アービンジャー「箱」NEWS【Vol. 198】2013/02/08

みなさん、こんにちはアービンジャー・ジャパンの佐藤真一です。

成人の日に大雪が降ったかと思うと、先週には関東地方で
20℃ぐらいまで上昇する4月下旬の気温となったり、
そうかと思うとまた雪が降ってみたり…。

本来なら1月終わりから2月にかけてが、一番寒い時期なのに…。

群馬の友人に聞いた話ですが、12月からずっと雪化粧だった浅間山の
雪が2月初旬に解けて地肌がみるみるうちに見えてきて、
そうかと思うとまた一晩で真っ白になったり…と。

この冬は少しおかしな気候となっているような気がしますね。

自然界の春への準備は大丈夫でしょうか?

さて今日は、「箱」の真ちゃんこと佐藤真一が担当します。

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■ 無意識のうちに作り上げてしまうもの : 佐藤 真一
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さて、冒頭でも触れた1月14日成人の日の大雪で
我が家も雪かきをするハメに。

ただ、全身筋肉痛にはなりましたが、実は雪かきも…
ちょっと楽しかったのでそのことを書いてみます。

大雪の翌日、火曜日です。
早朝からひと仕事を終え、午前11時前ぐらいだったでしょうか、

夕方に車で出かける用事があったので車が出しやすいようにと
家の前を雪かきしておこうと外に出ました。

スニーカーを履き、手袋をして、手にはスコップなどの雪かき道具。

思ったより積もっていたので

「これは結構時間かかるな…。」

と思いましたが、やらなければ始まらないと、
雪にスコップを入れ始めました。

すると、表面はやわらかいのですが、
地面に近いところは凍りついていて固くなっています。

「これはスコップですくうだけでは無理だな…。」

私は早速作戦変更!

レイキと呼ばれるT字型の金属でできたガーデニング道具で
凍った部分を叩き割るようにはがしていきました。

これは大成功!

おもしろいように家の前の歩道のアスファルトから
凍りついた雪がはがれていきます。

でもしばらくやっていると、日頃の運動不足から息が切れ始め、
腰もだんだん痛くなってきて、腰を伸ばしながらの作業が続きます。

妻と一緒に2時間ほどかかったでしょうか。

なんとか家の前の雪をきれいにでき、そろそろ退散かなと思い始めたころ
隣の家のお子さんたちが雪かきを始めだしました。

小学校高学年のおねえちゃんを筆頭に下は幼稚園までの三姉妹。

予想通り、凍った雪に悪戦苦闘しています。

「これは子どもでは無理だろう…。
手伝ったほうがいいよなぁ…。」

と私の心の中にそんな思いが…。

でも体は正直です。

「いやいや、これ以上やったらまずいぞ!
腰痛めるって…。
それに隣は隣の人がやるのが当たり前じゃないか。」

と悪魔のささやき。(←これ自己裏切りですね。)

本当に疲れてきたので、そのまま家に戻ろうかとも思ったのですが…

でも、やっぱりその子たちのことが気になって、

「おじさんも手伝っていいかな?」

と聞くと

「うん、ここにね、かまくら作るの!」

「えっ、かまくら?」

「そう、入って遊ぶんだ!」

思いもしない答えが返ってきました。

雪だるまぐらいなら頭にあったのですが、「かまくら」とは…。

思わず、

「そりゃあ、無理だよ!」

と言ってしまいそうになりましたが、ハッとして言葉を飲み込みました。

そうですよね、子どものころは夢中になって雪で遊んでいましたよ。

そうそう、自分だって「かまくら」作りたいと思っていましたよ。

それを頭ごなしに否定するなんてできません。

私の頭の中では完全に大人の論理を展開していました。

危ないところでした…。

「そうか、かまくらかぁ、おじさんも応援するよ!」

「ありがとう。ここに雪を集めてるの!」

「ちょっと氷もまざっちゃってもいいかなぁ。」

「うん、いいよ!」

と彼女たちとの会話が続きます。

私は彼女たちの家の前の凍った雪も叩き割り始めました。

「うわぁ、おじさんがやるとはやいね!」

その言葉に、うまくのせられました。

おじさん、がんばっちゃいました。

そう、単純です。

で、ふと横を見るとその先の家の奥様も外に出て雪かき中。

そして彼女たちと同じように、凍りついた雪に悪戦苦闘中。

「やっぱり、凍っているときついですよね?」

「あっ、さとうさん、ありがとうございます。」

と。

そして私は自然な流れで自宅も含めて3軒目の雪かきに突入。

しばらく叩き割り進めているとそのまた隣の奥様も悪戦苦闘中。

「ここまでやってきてすぐ隣でやめるわけいかないよなぁ…。」

と心の中で思い、

「かったいですよね?
私、割りますから、そのあとまとめちゃってください。」

「さとうさん、腰、痛くなりますから、いいですよ。」

「いやいや、大丈夫です。ついでですから。」

と口では言ったものの、だんだん腰が固まってきました。

その先の家は雪かきの奥様が出ていなくて、雪が残ったまま。

その1軒先の田中さんはおじさんが出てせっせと雪かき中。

「ここでやめるのもなぁ…。
田中さんちの隣までやれば歩ける道になるし…。」

そう思った時ハッとしたのです。

「そうだよ、自分の家の前だけやったって
道として近所の人たちが歩けるようにならないじゃん。」

さらに

「そういえば、いつもバス停から自宅まで
ご近所さんの家の前を歩かせてもらっているじゃないか。
当たり前のように歩いていたけど、お世話になっているじゃないか。」

自然とそう思えたんです。

いや、当たり前なんですよ。

言われてみればあったりまえのことなんですよ。

先人はよく言っていましたよね。

「自分の家の前の落ち葉やゴミだけはいったって何の意味もない。
お隣さんの家の前だってすすんではきなさい。」

とかですね。

だけど今の今まで

「はい、私、やってあげてます!」

なんて思いを少し持っていた自分が恥ずかしくなり、
それを捨てられた瞬間になにか清々しさが感じられるようになりました。

そして雪をかいた歩道がつながっている様子を眺めたときの
ちょっとした充実感。

誰かのために自分ができることをする。

喜んでもらえると、自分が喜べる、そしてうれしい。

ごくごく当たり前のことにあらためて気づかせていただきました。

ちょっと気分よかったです。

あっ、その時の全身の筋肉痛も考えてみれば、
心地よいものだったかもしれません。

で、ですね。

その翌日にあらためて冷静に振り返ってみたんですよ。

私は自宅の前を雪かきしようと外へ出てその作業にいそしみました。

凍りついた雪には難儀したんですが、なんとか作業を終えた。

そして家の中に戻ろうとした。

本来ならこれで終わりです。

でも、その傍らで隣の家の子どもたちが
同じように凍りついた雪に悪戦苦闘をしていました。

その時私はどう思ったか。

「ふぅ、やっと終わった。
隣の家は大人は出てこずに
子どもだけに雪かきさせているのか…。」

という思いと

「あれじゃたいへんだな。
女の子の力じゃ無理だろう…手伝うか…。」

という思いの葛藤がおきます。

でも体はすでにヘトヘト。

「これ以上やったらしんどいし、面倒じゃん。」

と思う自分と一方

「お前だって凍った雪、割るのたいへんだったんだから、
彼女たちにはもっと大変だろ、そんなのわかるじゃん。」

と思う自分。

でもなにか私の心の中でザワザワするんです。

「一言、おじさんが手伝おうかって声かければいいじゃん。」

と思う反面、

「なんか隣のうちの前まで雪かきしたら、
あてつけに見られるんじゃないか?」

と思う自分。

本当に短い時間なんですが、いろいろと勝手に想像しちゃうんですよね。

本当に小さい男です。(恥)

でも、あなたの職場でも似たようなことありません?

「あっ、これちょっと手伝ってあげればあの人が楽になるよな…。」

とか

「これ、教えてあげれば彼らも助かるだろうな!」

って、一瞬思うんですけどね…その通りにやらない…。

いや、確かに一瞬思うんですよ、

「こうしたほうがいいよな…。」

って。

でも、それと同時に

「いやいや、なんでオレがやらなくっちゃいけないんだよ。
そもそもこれはアイツの仕事だろ。
それに最近、オレだって手伝ってもらったことないし…。」

とか

「だいたい普段からの努力が足りないんだよな。
だからこんな情報だってつかめないんだよ。
へたに教えて文句つけられるのもいやだしな…。」

なんて思っちゃったりする。

こんな場面ないですか?

そうそう、やらない理由を探し始める。

相手が悪いと非難し始める。

そして自分は正しい…と。

で、そんな自分は心地よく、気分よくいられるかというと
実はそうではないんですよね。

なんか少しザワザワしたりして…。

そう、「自己正当化」ですよね。

話を雪かきに戻しますが、
隣家の数軒並びも終えてからちょっとゾッとしたんです。

想像してみてください。

隣の家の子どもたちは私のふるまいを少なからず見ていますよね。

で、もしも私がくっきりはっきり境界線が見えるくらいに
自宅の前だけきれいにして玄関に入っていってしまったとしたら…

本来はないはずの歩道の上の境界線を
雪とアスファルトとの白黒のコントラストで作り上げてしまったら…

そんな大人のふるまいを見ていたら…

「自分の家の前だけでいいんだ。
自分のところだけでいいんだ。
自分だけでいいんだ…。」

って、普通に思うとおもうんですよ。

いくら口で

「お友だちとは仲良くするのよ。
思いやりが大事なのよ。」

って、大人から言われてもねぇ。

そんなの信用できませんよね。

説得力ゼロですよ。

こんな日々のなにげない大人のふるまいが
確実に子どもたちへのメッセージになっていってしまうんだなぁ…って。

私たち夫婦には子どもはいませんが、
それでも私たちが関わる子どもたちの成長への影響があるし、
それを日々試されているんだなぁ…と。

いろいろと考えさせられた思い出に残る雪かきでした。

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■ 編集後記
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今回は長文をお読みいただき、ありがとうございました。

で、「かまくら」、気になりません?

いや、ちゃんとできていました!

それは小さくてこどもがやっと入れるサイズでしたけど、
確かにできあがっていました。

彼女たちもがんばったのですね。

オジサン、あらためて反省です。(汗)

大人が勝手に決めつけちゃいけないって、あらためて教えられました。