The Arbinger Institute

We Change Mindset

□アービンジャー「箱」NEWS【Vol. 283 】2014/10/31

みなさん。こんにちは。
橋口りょうです。

先日うちのミーティングでの一コマです。

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■   気になる              :  橋口遼(はしぐちりょう)
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「売上もあがってきて、人員が足りてません」
「スタッフはみんないっぱいいっぱいです」
「人を入れてください。いえ、入れましょう!」

コールセンターのリーダーの彼女が毅然とした態度で言った。
普段は温厚な彼女もこの時は少しばかり熱がこもっていた。

彼女への信頼はとても厚い。

なにより率先垂範して他のスタッフを引っ張っていく。
自分のお母さんよりも年上のパートさんから、信頼を寄せられていて、
彼女のためならがんばります。という人も少なくない。
もちろん僕もその一人。
彼女が言うことにはいつも耳を傾けている。

「そうだね。そうしようか」

社長も彼女の言うことには異論がない。
全体的にミーティングの結論が、人を入れようという空気になっている時に
企画の男性スタッフが話しだした。

「ちょっと待って。いくら業務が忙しいからといって、安易に人
を入れるのは危険だと思うんだよ」

その彼は普段真面目に仕事をしているスタッフ。
しかし、あまり会議の場で発言をすることは少ない。
どちらかというと職人のように口数少なく自分の仕事をやりとげる。

もちろん、そんな彼への信頼も厚い。

つまり、信頼が集まっているスタッフ同士が対立することになったのだ。

これは個人的に興味が出た。

(・・・おぉ、これはどういう結論になるんだろう?)

とても楽しみだ。

しかし、どうしても気になる点が一点だけあった。
いったん目に付きだすと、そこから焦点を外すことができない。

そんな僕の感情をかき消すように彼女が反論を始めた。

「なにをいってるんですか?普段何を見て仕事しているんですか?あなたは」
彼は返す。

「そんなに強く言わなくてもいいじゃない。
ミーティングの場だから、言いたいことを言っただけだよ」

そして、彼女。

「ふだんあなたは自分の仕事に集中しているから、周りが見えていないんです」

「そんなことはないだろ。どうですか皆さん。僕は周りが見えていないですか?」

いつの間にか二人だけの共謀が、チームを巻き込んだグループ共謀に
発展した。

こういう状況が起こると、必ずと言っていいほど、以下のような反応になる。

・どちらかの意見に肩入れして、言い争いに加担する人
・「まぁまぁ」といって仲裁に入る人
・だんまりを決め込んで、我関せずといった涼しい顔でその場にただいるだけの人

本当に様々だ。

しかし、僕はどうしても気になる。そのことに気づいてから議論が全然耳に
入ってこない。話が聞けないのである。

そんなとき、彼女と比べて冷静を保っていた彼も声が荒げた

「いいかげんにしろ。ちゃんと俺の話を聞いてくれ」

その荒い鼻息が今にも机の上の資料を吹き飛ばしそうだ。

しかし、その勢いとは別に僕は思わず吹き出してしまった。

その思わずの反応に共謀の両者がこちらを睨みつけた。

「何笑ってるんですか?」

二人が声を揃えて言う。

その瞬間箱に入ってしまった僕はごまかしてしまった

「いや、すいません」

その言葉を聞くやいなや、また言い争いが始まった。

いったん箱に入るとなかなか抜け出せない。
僕はだんまりを決め込む人になった。

しかし、気になる。そして、自分の箱を正当化するようになる。

(・・・みんな気づいていないのか?アレに・・・)

見れば見るほどわかるのに、誰も指摘しないことにとても腹が立ってきた。

だって、出てるんだもん。鼻毛。

しかも、どっちも。

本当に出てるんだもん。彼女は大きいのがひょろっと一本。
彼は短いのがたくさん。ごそっと。遠慮もなく。

(・・・なんでみんな気づかないんだろう?あんなに出てるのに・・・)

そして、葛藤が始まった。

(これはいつのタイミングで指摘したほうがいいのだろうか?鼻毛を)

箱に入った僕は完全にタイミングを失ってしまった。
これではまずい。

その葛藤が生まれれば、生まれるほど、良心、自己裏切りの繰り返しだった。

すると社長がいきなり立ち上がった。

「いい加減にしましょう。ふたりとも落ち着いてください」

その静かな怒りは様々な感情で活気だっていたミーティングを静まらせるのに
充分だった。

その一言で「ハッ」と我に気づき、くだらない葛藤をやめようと思ったが、
ふと社長をみるとそんな自分も嫌になった。

(・・・社長も鼻毛出てんじゃん)

もうすべてが嫌になった。

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■ 編集後記
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後日談として実はみんな気づいていたそうです。
だけど、言わなかった。

相手のために「鼻毛でてるよ」というべきことを言わなかった。

つまり自己裏切りをした。

結果、チーム全体箱に入ってしまった。

毎日が修行の日々です。