The Arbinger Institute

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□アービンジャー「箱」NEWS【Vol. 348 】2016/2/19

みなさん、こんにちは。
アービンジャー、見習いファシリテーターの川原です。

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■ ある日のタクシー : 川原 健太郎
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その日は社内のスタッフ数名に箱セミナーをすることになっていた。
僕はセミナーの機材を人が入るくらい大きなキャリーケースに入れていたので、
バス通りにでるとすぐにタクシーを捕まえた。
その日、セミナーを受けてくれる同僚の女性も一緒だった。

「中洲川端駅までお願いします。」
「はい。かしこまりました。」

中洲川端駅まではタクシーで10分。
セミナー会場は駅前のビルに入っているので
このまま行けばセミナー開始30分前には会場入りして準備が出来る。
ここまでは予定通り。
僕は同僚と談笑を始めた。

ところがこのタクシー。
本来曲がるべき交差点を曲がることなくひたすら直進を続ける。

「こいつ。やりやがったな。」
そう思ったのが先か、箱に入ったのが先か?
僕は一瞬で箱に入った。
僕は「○○駅なんですけど、大丈夫ですか?」と聞いた。
「○○駅は反対方向ですけど?」ドライバーはしれっとこたえる。

《こいつ。しらを切る気だな!》

川原「中洲川端駅です。中洲川端駅に向かってください。」
ドラ「えっ?博多駅じゃないんですか?」
川原「中洲川端駅です!!」
強い口調で言い放った僕の顔をミラー越しにチラッと見たドライバーは
無言で交差点を曲がって中洲川端駅へ向かった。

きっとこのドライバーは僕の大きなキャリーバックを見て直感的に
無意識に僕の目的地は『博多駅or福岡空港』と考えたはず
だから僕の目的地なんて聞いていなかったのだろう。

それがバレないように「中洲川端駅は反対方向ですけど?」なんて言ったのだろう。
《私は間違ってない。間違えたのはお客様。》そう思っているのだろう。
だからお詫びの一言もない。なんて不誠実なんだ!
だんだん腹が立ってきた!文句の一つでも言ってやろうか!
いやまて僕はこの後、箱セミナーをする。
隣には受講してくれる同僚もいる。
ここで怒っている姿を見せるわけにはいかない。

悶々としながら中洲川端駅へ向かう。
同僚は空気を読んで話しかけてこない。
さっきまでの楽しい雰囲気は一変して凍りついていた。

予定の倍の時間をかけて中洲川端駅に到着した。
請求された運賃を聞いて僕の箱の蓋は完全に閉じた。
きっちり遠回りした分の運賃を請求されたのである。

タクシーを降りた瞬間、領収書の電話番号に電話をかけ
「車両ナンバー○○に今、乗車したのですが・・・」と一連の出来事を伝えた。

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■ 編集後記
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今回のケースでは、僕は完全に被害者でした。
でも僕が被害者か、加害者かはたいして問題ではないという事に気づきました。

問題なのは僕が箱に入っていたという事でした。
どんなクレームもお客様のお声で大切なフィードバックです。
お客様から改善点を指摘して頂けるありがたい機会です。

でも箱に入ると本質から逸れてしまいます。

フィードバックが目的ではなく
感情を吐き出すのが目的になってしまう。

クレームを受けた側が箱に入ってしまうと
責任を負わなくていい様にと言い訳がましくなってしまう。
誠実さがなくなり、お客様を余計に怒らせる。

そう思うと僕が箱に入ったことから一連の出来事が始まった。
共謀状態に陥った。
ドライバーさんごめんなさい。