The Arbinger Institute

We Change Mindset

□アービンジャー「箱」NEWS【Vol.100】2011/03/25

こんにちは。 アービンジャー・ジャパンの伊藤彰記です。

この度の東日本大震災に際し、亡くなられた方々のご冥福をお祈りする
とともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

大震災によって日本経済は大打撃。

未曾有の大震災が開けたこの穴が及ぼす影響は、これまた未曾有。

不謹慎、自粛、自重。

そんなムードが漂う中、元気がなくなって当たり前のこの状況にさらに
みんなで同調して元気をなくしてしょぼくれていて良いのだろうかと日々
思います。

私は箱の外の世界を表現するために「ゴキゲン」という言葉を多用して
いますが、先週は自分が配信するブログやメルマガでも、使用するのを
自粛致しました。

言葉の使用以前に、配信することすらためらわれましたが、それでも私は
情報発信することをやめませんでした。

働ける環境にある我々は懸命に働き、日本経済の復興に寄与すると共に、
得た利益を還元することによって被災地の復興に貢献していくことこそが
私たちにできる大事なことなのだと思うからです。

だからこそ、私は、やっぱり箱の外で「ゴキゲン」でいようと思います。

それでは、今週の記念すべき第100回目の記事を私、伊藤が担当します!

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■ ビジョン : 伊藤彰記
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数年前、僕は、リーダーになったというプレッシャーから、自分を成長
させるために、いろいろな本を手当たり次第にたくさん読み始めた。

それから、セミナーや勉強会や異業種交流会にも精力的に参加する
ようにした。

そして、とある勉強会で理念やビジョンを掲げることの重要性を
知った。

理念経営ってやつだ。

ちょっと古いかもしれないけど、松田聖子さんのビビビときた!っていう
イメージにも似た衝撃が僕の中で走り、その時は、これしかないと本気
で思った。

我が社は60年以上も操業しているのに、そういった類の共通概念が
一切なかった。

唯一、強いてあったと言えば、地元では有名な、渡辺崋山先生の「商人
八訓」の額が、傾いて埃をかぶったまま壁に掛けられている程度だった。

そして、早速、僕は理念をつくり、ビジョンを社員みんなの前で情熱を
持って語り始めた。

これで「いい会社」が出来上がり、利他を重んじる素晴らしい風土が
作られるぞ。

どうだ、君たち、みんなが幸せになれるんだぞ、と言わんばかりに熱を
込めて語ったわけだ。

「思いやる心をもつ」という基本的な価値観をベースとして、東三河
だけではなく、三河中で一番「間に合う」会社となりたい。

物心共に社員のみんなが満足できるような会社にして、そして、三河
の地がさらに元気になるように貢献したい。

そんな熱い思いを社員たちに伝えた・・・  はずだった。

僕の熱い思いは、さっぱり社員たちに伝わらない・・・。

会社の状況はさっぱり変わらない・・・。

社員たちは、相変わらず他人の給料の中身ばかりが気になるし、営業
と現場の部署間の言い争いは絶えないし、事務員の女の子は突然泣き
出してしまうというような目を覆いたくなるような状況は改善されるどころか、
ますますひどくなっていく。

僕は段々と腹が立ってきた。

そして被害者意識を持ち始めた。

こんな状況にしたのは、今まで経営してきた奴らで、そもそも僕がこんな
姿にしたわけじゃない。

ふざけんな・・・。

確かに会社は継いだ、でも、好んで今会社にいるこいつら社員を引き
継いだわけじゃないぞ。

それなのに、一体、何なんだ、この理不尽な状況は・・・。

こうなったら、全員首切って俺の気に入った人材を一から採用して、
すべてリセットして再スタートしてやろうか・・・。

本気でそんなことを考え始め、悶々とする毎日が続く。

一向に変わらない社員たちと会社の姿を見て、このまま自分は、一生
人に悩まされるのではなかろうか、だったら今自分がやっていることは
何の意味があるんだ?

いっそ、この状態を見て見ぬふりして、自分の良心をシャットアウトして、
リアルなジャイアンにでもなってしまおうかと、元々ジャイアン体質の僕
の頭の中を、だんだん良からぬ考えが埋め尽くしていく。

底なし沼にはまり、もがく毎日。

まさに出口のない無限地獄。

しかも家に帰れば、嫁さんとも些細なことで口喧嘩・・・。

僕のイライラはピークに達した。

もういい加減にしてくれ! どいつもこいつも一体どうなってるんだ!!

僕は、完全に悲劇の主人公になっていた。

そして、あれから数年が経った。

今、我が社の壁には「思いやる心を持つ」というコアバリューと理念の
書かれた額が掛けられている。

昨日、来期の個人目標を発表するキックオフミーティングを行った。

そして、そこで全員で理念と行動指針を唱和した。

みんなの声がうるさいぐらいにでかい。

社員みんなのエネルギーが吹きこまれ、僕だけのものだったイミテーション
の理念が本物の輝きを放ち始めている。

いろいろと感慨深く、熱いものがこみ上げてくる。

理念を唱和しながら額を見る僕の目にはうっすらと涙が滲んでいた。

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■ 編集後記
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本文中にも書いたように、先日キックオフミーティングをやりました。

ダイエットでわかるように、何かしらの目標を立てても、それが達成される
ことはどうやら少ないように感じます。

ダイエットするためには、当然、継続した行動を意識すること、つまり痩せる
ための行動の習慣化をせねばならず、多くの人がここに挫折します。

行動は考え方やマインドによって左右されますので、まずはそれらを整える
ことからスタートしなければ、中々目標が達成されることはありません。

痩せたい~ と思ったら、目先の欲求に捉われて《まいっか》と諦めてしまう
前に行動し、痩せた姿をイメージし続けることが有効です。

ここに強い動機付けがあるとさらにいい。

例えば結婚式で9号のドレスを着たいという願望や、ふられた彼氏を見返して
やりたいという執念だとか、そんな目的意識があると、思いが増長して継続し
やすい。

まさにビジョン、ミッション、パッションですね。

達成感も大事ですが、プロセスを充実させて箱の外に居続ける。

私も意識して箱の外の世界でゴキゲンでいたいと思います。