The Arbinger Institute

We Change Mindset

□アービンジャー「箱」NEWS【Vol.28】2009/10/09

こんにちは!アービンジャー・ジャパンの田染です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?

台風の影響はいかがだったでしょうか?
最近の台風は‘体力’があるらしく、
消滅するまでに、これまでより時間がかかってるそうです。
そのせいか、普段台風の影響を受けない地域でも、
最近は被害がでているようですね。
皆様、どうぞお気をつけ下さい!

さて、今週の担当は、佐藤真一さんです。
では、宜しくお願いします!

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■ 非難するのではなく、信じること : 佐藤 真一
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私はプロ野球観戦が好きで、
なかでも千葉ロッテマリーンズの大ファンなんです。
スタジアムに行けない時は、ビデオで録画し、
毎試合観ています。そんな中、最近こんなことがありました。

2009年9/26(土)ロッテ対オリックス戦はロッテが勝利しました。そして、
そのヒーローインタビューで西岡剛選手がライトスタンドの応援団に
こんな訴えをしたのです。お立ち台から下りて、ライトスタンドを向き、
声を震わせながら…

「僕たち選手は一生懸命プレーしていますし、
スタンドには将来、野球選手になりたいと願う子どもたちもたくさん
来ています。
そこで許されないような言葉で書かれた横断幕を出したり…。


子供たちの夢を壊さないでください。
僕自身この成績で言える立場じゃないけど、
1人の人間として間違っていると思う。」

※西岡選手のヒーローインタビューの動画(YouTube)
⇒http://www.youtube.com/watch?v=nnBVri_sp3U

テレビでその場面を見ていた私は何が起こったのか理解できませんでした。
どうも一部の応援団によってフロントのやり方に対する過激な批判の
横断幕が掲げられていたようでそれに対してのものだったようです。

もともとロッテの応援団はとても熱心でマナーもよく、「日本一のファン」
と評されることが多いのです。私も、「そんな応援団がどうして…。」
という思いでした。

その日のブログに西岡選手が「すいませんでした」と複雑な思いを綴っています。
そして、それに対して西岡選手の言動を支持し、応援団の一部に
対する批判のファンのコメントが数百件ついていたのです。
そこでの西岡選手の言葉が胸に響きました。

「良いチームを造りたいんです!!
その為にはファンの方々の応援が必要なんです!!

僕は逃げも隠れもしません。
絶対にファンの方々は裏切らないって信じてるからです!

12球団1番の最高のチームを作るのに
フロント・選手・ファンの皆さんが
もう一度一つになって良い球団造りに協力してください。」

※西岡選手の公式ブログ(9/26)はこちら
⇒http://ameblo.jp/speedstar-tsuyoshi7/entry-10351486154.html

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翌日、たまたま観戦予定だった私は、複雑な気持ちで千葉マリンスタジアム
に入りました。入った瞬間に、

「何かいつもと雰囲気が違う…。」

そしてライトスタンドを見ると、前日訴えをした西岡選手に対する批判、
揶揄や誹謗中傷の横断幕…。

「どうしたんだ…。」

さらに試合が始まり、不安は的中しました。
なんとロッテの応援団が本来応援するべき西岡選手の応援だけをボイ
コットしているのです。私は、目と耳を疑いました。

「なんでだよ?どうしたんだよ?ロッテの応援団じゃないのか!」

心の中で強い憤りと何とも言えない重たい気持ちが湧き起こります。

でも、それを振り払うかのように西岡選手支持のファンからの温かい
満場の拍手…。
さらにそれを妨害するような応援団のドラムやトランペットの音…。

それでいて他のロッテの選手の応援はいつもどおりにする応援団。
当然、一体感などこれっぽっちも感じられません。バラバラです。

今までのライトスタンドからは想像もできない悲しい光景でした。

異様な雰囲気の中、ゲームは引き分けで終了しましたが、なんとも
後味の悪い観戦となったのです。

前述のブログには早速観戦していたファンからの書き込みが続々と
されていて、そのほとんどが応援団の一部の暴挙に対しての痛烈な
批判でした。

それを読んでるうちに、

「こうやって人々は敵対していくんだ。これじゃ、非難し合っている
だけじゃないか…。ついこの間までどんな時でもロッテを熱く応援
していた仲間だったのに…。」

という残念な思いとこのままではいけないという思いが複雑に交錯します。

私たちは相手がなにかひどいことをしたり、悪いことをするとそのこと
だけを見て、相手を非難し始めます。今回も応援団の暴挙に対して、
大勢のロッテファンが強い憤りを感じ、その排除を求めたのです。

でも、前述のブログの西岡選手の言葉がすべてだと思いました。

私も憤りを感じた一人ではありましたが、応援団に対してこう考えました。

・そもそも彼らは初めからこんな暴挙をしていたのではない
・彼らは今までロッテが弱くて人気もない時代からずっとチームを
応援してきた
・大差で負けている試合でも、最後まで大声で応援してくれていた
・確かに私たちファンもあのライトスタンドの応援を誇りに思い、
感動をしてきた
・その彼らがここまで暴挙に出たのは、それなりの経緯や背景があった
からなのかもしれない

そして、

・ここで応援団を批判したり、排除したり、非難するだけなら暴挙と
同じことだ
・彼らもいつかはわかってくれると信じなければ…
・そしてそれには、彼らを非難する行動ではなく、彼らを理解しよう
とすることが必要なんだ

と心のなかで考えながらも…
でも、一ファンとしては何ができるのだろう…
私の中でグルグル回っていました。

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そんなことを考えながら、もう一度西岡選手の公式ブログを開けて
みると、西岡選手本人の更新が「生涯わすれられない感謝すべき日」
というタイトルでありました。ブーイングの中、心からの拍手を送って
くれたファンへの感謝の気持ちと最後にこんな言葉が、

「 ~前略~

俺から今日伝えたいことは
今日僕に声援送ってくれたファンのみんな
怒りの感情はもたないでください!

今日の事は生涯わすれられない感謝すべき日になりました!

みんな同じ人間なんやからすぐには難しいけど
絶対彼らもわかってくれるって信じてるから一緒に信じてください!

出禁とか排除するべきとかいうコメントもあるけど
それは正しい答えじゃない!

彼たちが、築きあげてきたものは、大きいものだと思います。

僕を応援して僕の立場なって応援してくれるのは、
ほんまに涙でるぐらい嬉しいけど僕は望んでません!

だから一緒に信じていきましょ!
また俺らが群れになって彼らを傷つけてしまったら、
やってる事が一緒になってなんの進歩もないと思う。

人間の心なんかガラスのようにもろいんやから、
傷のつけあいは避けようよ!
みんなで渡れば怖くないって言うけど俺は好きではない!
(いろんな取り方があるけど)

だから俺はインタビューで発言した責任、覚悟があります。

ほんまに強いチームを望んでるから!
だから協力してください!お願いします。」

※西岡選手の公式ブログ(9/27)はこちら
⇒http://ameblo.jp/speedstar-tsuyoshi7/entry-10352050781.html

このメッセージは素直に心に響きました。
西岡選手はちゃんとわかっていました。

そう、やはり非難するのではなく、信じることなんです。

問題が発生しても、対立しても、たとえ相手から非難されたとしても、
同じように非難をするだけでは何も解決しないんです。

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翌週の火曜日、対西武戦では1回表、先頭打者の西岡選手が打席に
入る時に、いつもの西岡選手の応援がテレビから流れてきました。

「よかった!」

そしてそれはいつもより強くたくましく聞こえてきたような気がします。

想いが応援団に伝わり、より絆が強まったように感じています。
チームはこうして成長していくのかもしれません。

自分の応援しているチームでこんな騒動が起き、こんな展開になる
なんて思いもしませんでしたが、このチームのファンであることに
喜びを感じ、来季以降も今まで以上に応援をしていくつもりです。

12球団一番の、いや世界で一番の最高のチームを
みんなで創りあげるために!

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■ 編集後記
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先日、伊坂幸太郎原作の「重力ピエロ」という映画を見ました。
どなたかご覧になりましたか?
あまり緩急なく最後に実父を殺めてしまうこと以外は、
とてもシンプルで日常的なだなぁと思ってみてました。
たぐいまれなものを持っていても輝かないものや、
やっぱり人は、他の人にはわからない苦しみを背負って生きているんだなぁとか、
そんなことが胸を苦しくしました。

ではでは、今週も素敵な週末をお過ごし下さい。
それでは、また来週!!