The Arbinger Institute

We Change Mindset

□アービンジャー「箱」NEWS【Vol.44】2010/2/5

こんにちは!アービンジャー・ジャパンの田染です。
皆様、いかがお過ごしですか?

節分の日はスーパーやコンビニで、巻物が大賑わいでしたね。
みなさん、恵方巻きは召し上がったでしょうか?
博多では節分に巻き寿司を食べる習慣はなかったのですが、
コンビニの戦略が影響してか、
私の実家でも巻き寿司を作るようになりました。
色んなものに、何かしら影響される毎日です…。

今週の担当は、佐藤真一さんです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ お前になんかに言われたくないよ! : 佐藤 真一
─────────────────────────────────
もう10年も前のことです。

ある組織で一緒に仕事をしていた仲間たちがいたんです。
それはさまざまな職場から選抜されたメンバーで構成された組織で、
それぞれが自分の職場との掛け持ちの状態です。
いわゆる二足のわらじというわけです。

一応、決められた1任期は2年。
その後は一人ひとりの状況と意思、そして組織の状況に応じて、
継続をするか、退任するかを決めていました。

特に同じ志を持ったKとは、

「結構きついけど、頑張ろうな。会社のためだ。」

とお互いに励まし合っていた仲でした。

2年が経過して、リーダーから呼ばれて継続の意思の確認の際に

「佐藤はこの後どうする?
もちろん組織としては残ってもらいたいんだけど。」

「はい、きついですけど、組織の期待に応えたいと思います。
いろいろ勉強にもなりますし…。」

「そうか!ありがとう。
Kが抜けちゃうから、佐藤がいてくれると心強いよ!」

「えっ、Kは抜けるんですか?」

当然、Kも継続するものだと思っていました。

「なんなんだよ、あいつ…。
あれほど一緒に頑張って変えていこうと言ってたのに…。」

すぐに仕事が終わってからKを呼び出し問い詰めました。

「なんなんだよ。降りるって。一緒に変えていくんじゃないのかよ?」

「…。」

「何とか言えよ!」

「すまない…。いろいろと自分で考えたんだけど、
このタイミングで前からやっているプロジェクトに戻らないと、
自分のキャリアが見えなくなるんだ…。」

「なんだそりゃ?」

「でも、きっと佐藤が頑張れば変わるよ!
今はちょっと体質が旧態依然だけどさ。」

「ふざけんな!途中で投げ出すお前になんかに言われたくないよ!」

私が吐き捨てた後は、お互いに無言でした。

それからは残りの期間を一緒に仕事はするものの、
どこかギクシャクしていました。
私が完全に被害者になっていたんです。

退任後、しばらくしてKは海外の事業所への赴任が決まり、
旅立って行きました。

送別会にも参加しましたが、素直に謝ることもできずじまいでした。

その頃、まだ「箱」は知りませんでしたが、
実は私もうすうすわかっていました。

半分は会社のためと言いながら、忙しくギリギリの中、
頑張っている自分を認めてもらいたいと思っていたこと。

組織の期待に応える素晴らしい人材だと思われたいという気持ち。

一緒に頑張ろうと言っておきながら、
Kのためでもなく、組織のためでもなく
ただ自分が心細いから、不安だからKを誘っていることも。

言葉にしていることと、自分の本心のギャップ…。

Kも同じように悩み苦しんでいたことも。

いや、目の前にある自分のキャリアの大きな岐路と仲間への想いの狭間で
Kは私以上に苦しんでいたんだと思います。

でもそれを認めたくなかったんです…。

私はそのトゲがずっと心に刺さったままでした。

5年ぐらいしてからKが帰任したときに2人で飲みに行ったんです。
私は意を決して、

「あのさ、あの時オレがお前のことを罵倒したのを覚えている?」

「えっ、そんなことあったかなぁ…。」

「すまなかった…。
実はオレはお前のためといいながら、自分の都合で…。」

「何言ってるんだよ。佐藤には感謝してるよ。
ちゃんと組織の中で役割を果たしたんだから、すごいよ。」

心がすーっと軽くなったのを今でも覚えています。

私が独立してからは、年に1回ぐらいしか顔を合わせませんが、
この原稿を書きながらちょっと連絡をしてみようかと思っています。

あなたも謝りたいと思っているのに、謝れていない、
トゲが刺さったままの人はいませんか?

ちょっとの勇気で痛みが消えるかもしれませんよ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 編集後記
─────────────────────────────────────
「ウォッチャー」。気分の悪い映画、勘違いした女の子のお話…。
「ミザリー」を彷彿とさせます。
作家が連載している作品の熱狂的なファンが、
ストリー展開に腹を立てて作家を監禁し、痛めつけるという映画。
足首を折るシーンで鮮明によみがえって来ました。

すさまじいですよ、この勘違いの世界観。
全部他人のせい。
映画を観ながら「いやいや~」「それは違うでしょう」などとつぶやいていました…。
もやもやしたい方、ぜひご覧下さい。

ではでは、また来週!