大手広告企業による寡占化が進むマーケットで、競争優位性を向上

組織名

ビッグモノクル社

業界

マーケティング&広告

ビッグモノクル社は、独自の広告、マーケティングやキャンペーンを行う、新進気鋭の広告代理店で、社会貢献を使命としています。
「アービンジャーのやり方を応用することで、チームメンバーがそれぞれのレベルで顧客にいかに役に立てるかを考えてくれるようになった。顧客目線に立ち、独自の視点を大事にすることで、大手が市場を占める中、競争優位性を築き上げることができました。」

エイミー・ステルホーン
CEO

挑戦とソリューション

ビッグモノクル社は、カリフォルニア州レッドウッドに在り、イノベーティブで創造的な広告代理店です。2012年の5月、当時32歳のエイミー・ステルホーンが以前働いていた大手デザイン会社からスピンアウトする形で始めた会社です。設立当初は、従業員は彼女しかおらず、インテル社が唯一の潜在顧客でした。そして、生き残るただ一つの方法は、他の大手代理店が提案するものを遥かに上回るクオリティのサービスを提供できるか否かにかかっていました。その思いで、エイミーはアービンジャーにやって来ました。

インテル社はエイミーの作品を気に入り、彼女のことを当時インテル社でマーケティングマネージャーをしていたジェニファー・ローソンに伝えていました。ジェニファーは同社のセキュリティ製品の広報キャンペーンを行っていました。インテル社はニューヨークに本部を持つ大手広告代理店とよく仕事をしていましたが、同僚の勧めもあり、ジェニファーはビッグモノクル社にコンタクトしてみました。彼女らは、電話で数度話しました。ジェニファーは、エイミーのことをとてもクリエイティブだと感じました。エイミーの提案する内容は実現が難しいものばかりでしたが、ジェニファーは彼女にもっとアイディアを出してもらいたくなりました。そして、インテル社のカフェで打ち合わせをすることになったのです。エイミーはとてもやる気に満ちていました。彼女は、自己紹介のつもりで以前の作品をまとめ、今回のプロジェクトのアイディアをいくつも作成しました。

アービンジャーのスタッフと会ったときも、まさに彼女はそのプレゼンテーションの資料作りで大忙しでした。しかし、我々は彼女に準備を止めるように言ったのです。「過去にあなたの作った作品で、ジェニファーを驚かせるのではなく、彼女が何を本当にしたいのか、そこに興味を持ち、話を聞いてみたらどうでしょうか?今回は、彼女を驚かせるのが目標ではありません。それは、あなたの中だけの問題です。ぜひ彼女を助けてあげることに目を向けてください。」そして、カフェでエイミーはジェニファーと会うことになりました。スライドもプレゼンテーションも持って行っていません。

エイミーはひたすらにジェニファーの求めるもの、そしてインテル社のそのキャンペーンに対する目標を理解しようとしました。彼女はジェニファーが対象顧客のニーズや興味を考えることができるよう優しく促しました。

二人は打ち合わせが終わるまでに具体的な案を出すことはできませんでしたが、エイミーのその対応によりビッグモノクル社は契約を取ることができました。彼女のジェニファーへのアプローチは、これまでジェニファーが大手広告代理店との付き合いの中で経験してこなかった独特なものでした。エイミーとジェニファーは二人でプロジェクトに取り掛かり、外向きのマインドセットを意識して仕事に取り組みました。二人は何度も話し合い、考えました。「お客様が安全にインターネットを使えるのを手助けするには何が重要でしょうか?」、「お客様にとって価値のある体験とはどんなものでしょう?」これらの外向きのマインドセットに基づいた質問は、より深く、共感を呼ぶ答えを見つけ出すことができます。その他にも、彼女らはお客様のパスワードが安全かどうか確かめるテスト行い、その場でお客様にフィードバックを与えるキャンペーンも始めました。シンプルですが、とても有効で素晴らしいアイディアでした。
エイミーはその後、事業拡大に合わせてメンバーを募集しました。そこでの採用基準は、外向きのマインドセットを持ち働くことができるかです。

結果

インテル社はその後、そのパスワードのセキュリティキャンペーンをインターネット上で始めました。ユーザーは、インテル社のウェブページで計100万回超ものテストを行いました。そして、13,000を超えるツイートを記録し、32,000人を超える感想コメントが届きました。インテル社の当プロジェクトへの予算は15万ドルのみです。この投資で、5,800万回もの広告表示(インプレッション)を生み出しました。1クリック当たりのコストはわずか0.002ドルであり、通常1クリック当たり0.15~1ドルと言われているので、これは驚異的な数字です。このキャンペーンの成功は、すぐさま役員チームの関心を集めることとなりました。このキャンペーンは賞賛され、全国ニュースにも取り上げられました。通常はチーム単位で与えられる賞をジェニファーは個人で獲得し、社内での知名度は大きく向上しました。この受賞は、インテル社のマーケティングキャンペーンにおいて新たな一歩を踏み出したことによる功績を評価するものでした。