□アービンジャー「箱」NEWS【Vol. 187 】2012/11/23
みなさん。こんにちは。アービンジャー・ジャパンの橋口遼(はしぐちりょう)です。
このメルマガが届いている11月23日は僕の誕生日です。
29才になりました。孔子の言葉を借りれば、
「男、30にして立つ」
あと一年で30代。楽しみです。
それでは、早速参りましょう。
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■ 「サプライズ結婚式」 : 橋口 遼
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先日、友人のサプライズ結婚式があったんです。
「サプライズ結婚式って何?」
つまり、結婚式を挙げていない新郎と新婦を、周りの仲間でサプライズお祝い
するんです。
そして、今回は・・・なんと、新郎がサプライズ対象です。
サプライズですよ?新郎に。
新婦も仕掛け人。
私もそういうのが好きなんで、新婦から連絡があったときも、
「喜んで参加させて頂きます。^^」
と、伝えました。
そして、数日たって、新郎とお茶をしていたときに、僕たち二人の前を
共通の先輩が通りました。
声をかけて、当然立ち話の流れ・・・。
そこで、その先輩が言ったんです。
「あっ。今度11日、よろしくね。楽しみにしてるよ。おめでとう。」
って。
一瞬私は、
“えっ?!11日? 11日ってサプライズ結婚式のこと?”
“いや、まさかね。本人によろしくお願いしますって言ってもしょうがないでしょ。”
“だって、バレたらサプライズにならないじゃん”
会話はそのまま流れて、友人も笑っていました。
“気のせいか”と危惧して、僕も笑って話していました。
その先輩が去り、二人になると、友人がおもむろに、
「りょうちゃん。聞いてくれる?実は、俺、サプライズで結婚式されるらしいんだよね。」
「えっ?!」
僕は何も悪いことしていないのに、心が動揺・・・。
話を聞くと、昨晩から電話とメールが鳴りっぱなしらしく・・・。
「結婚おめでとう」
「当日、楽しみにしてます^^」
「自分のことのように嬉しいよ。本当におめでとう。」
実際のメールや、留守番電話を聞かされて、まさに善意の嵐。
喜びとうれしさと、大切な人を祝福する感嘆の声ばかり。
新郎本人以外は・・・
事情を知っているだけに、相槌もたどたどしい僕。
「それでね、俺どうすればいいかなぁ?」
と聞かされた。
すかさず、犯人を探し出す俺。
心のなかで、戦闘準備。
“誰が連絡をまわしているんだ?”
“本人にきれいにばれとるやないか。”
“俺ならもっとうまく段取りするのに・・・・
“かずちゃん(新郎)がかわいそうだ。いったい、どうなっているんだ。”
新郎と別れ、すかさず彼の後輩のスタッフに電話をした。
「どうなってんの?本人にいろんな人から電話かかってきたら、そりゃ、ばれるでしょ。
誰が仕切ってんの?このイベント。」
怒りに任せて、偉そうに説教。
事情の分からない後輩もたどたどしいし、申し訳ないとあやまっている。
すっきりした自分に多少の違和感を覚えながら、
いろいろ考えていた。
結婚式の二週間前にもう一度、新郎の後輩に電話をした。
「結婚式どうすんの?サプライズにならんやろ?」
「りょうさん。大丈夫です。強引に押し切りました。ばれてません」
「本当に?!大丈夫?もうサプライズやめて、公然のパーティーにしようよ」
「大丈夫です。当日楽しみにしていてください。」
そう言われると、何も言えない。
更にそこからグダグダ説教して、電話を終えた。
まだ心がざわついている。
当然、新郎と話してもその手の話は白々しいくらい表に出さない。
心が痛い。
“彼は驚くふりをするのだろうか?”
“どんなリアクションをするんだろう?”
“大体、彼は結婚式とかが嫌いだから、自分で結婚式をしないという選択をしているのに
周りが勝手に考えてやっていいのだろうか?”
様々な考えが頭をよぎった。
そして、サプライズ結婚式当日。
新郎が扉を開いた。
「おめでとう」の歓喜の声。
新郎は笑顔。
祝福しているメンバーの顔を見渡して、涙が溢れていた。
仕掛け人の新婦もその顔を見て、涙している。
思わず、僕ももらい泣き。
その後の式の余興も、サプライズばかりで幸せな時間が式場を流れた。
悶々する気持ちが、周りの祝福と歓喜の涙で消されていくのか、
ぼんやり消えていった。
僕は反省した。
そして、考えた。
いつから僕は箱に入ったのだろう?
何を裏切ったのか?
結婚式がエンディングを迎える。
新郎のあいさつだ。
彼はこう言った。
「みなさん。本日は本当にありがとうございました。
半分知っていたとはいえ、こんなにも多くの方が僕たち二人のために来て頂けるなんて、夢のようです。一旦は中止にならないかなぁ?とか色々考えてたんですけど、
この企画をしてくれたスタッフのみんなとミユキ(新婦)に感謝です。」
新郎のあいさつに拍手喝采。そして、みんな涙が止まらない。
なにより、サプライズをしかけた彼のスタッフたちも嬉しそう。
その顔を見て、更に反省した。
そして、反省の心が湧いた理由も少しだけわかった。
僕はあくまで一参加者。
もちろん、仕掛け人側ではあるけれど、
何の手伝いもせず、当日を迎えた。
準備も何も手伝わなかった。
新婦から電話があった時に、
「俺に手伝えることあったら言ってね。」
この一言を言わなかった。
だから、あくまで外野の立場なのに、色々偉そうに説教をしていた自分に
腹が立ったのだ。
そして、人を非難した。
自分のことは棚にあげて・・・。
僕は外野からモノを言われるのが嫌いだ。
「じゃあ、自分でやれよ」
と、思い、とても箱に入りやすい。
俺は絶対そんな人間にはならない。
と、思っているのに、気づいたら僕もそっち側・・・。
全く情けない話です。
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■ 編集後記
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新郎新婦の見送りの時に、声をかけられた。
「りょうちゃん。全部知ってたんやろ?
俺、色々相談して逆に気を使わせたね。
ごめんね」と。
やめてくれ。かずちゃん。
これ以上俺の良心を痛めないでくれ。
ひどく心が傷んだ。
そして、その足で説教をした彼の後輩たちに謝罪に行った。
箱から出れる環境はありがたいです。
本当にあの時はごめんなさい。