□アービンジャー「箱」NEWS【Vol. 208 】2013/4/19
みなさん、こんにちは!
アービンジャー・ジャパンの伊藤です。
リーダーが空回りする悲劇。
しかし、当のリーダー自身は、空回りしているなんて1ミクロンも
感じていないことが多い。
~ どいつもこいつもどうしようもない奴らばかりだ・・・ ~
イライラする。
うまくいかない原因がさっぱりわからない。
まさか、自分に原因があるとも知らず・・・
陥りやすい罠。
どこに潜んでいるかわかりません。
最近、私もしっかりはまってしまいました・・・
さてさて、今週は伊藤が担当いたします。
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■ トラップにはまる : 伊藤 彰記
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なんてこった・・・
箱から出られない・・・
4月始まってまだ間もないのに、年度替わりで意気揚々と
スタートしたいというのに、しっかりと箱に入ってしまった・・・
「なんでやらんの? ふざけんなっ!」
4月1日、私自身に起こった出来事。
とある幹部社員を随分と叱りつけてしまい、それから、3日ほど
箱から出られませんでした。
い、いかん・・・ このオレ様としたことがぁ・・・
箱に入っていることはわかる。
いや、でも、正直気付いていなかった。
普段なら、こんな風に腹が立つことはないのに、なぜか猛烈に
怒りが込み上げてきて怒鳴ってしまった。
なんでだ?
いまいち原因がわからない・・・。
なぜ、箱に入ってしまったんだ?
いつどこで入ってしまった?
そこで、原因をさぐるべく、振り返り作業を行いました。
暗闇の中のロープを手繰るように、過去の記憶の中を、
どんどん遡っていく。
でも、中々それらしき原因が出てこない。
ん~わからん・・・
さらに集中。
そしたら、
~ あー、見っけたっ ~
原因がわかりました。。。
3月、今期以降、向こう5年間の中長期の数値目標を含めた
経営計画と、新たな行動指針を社員全員で策定しました。
今後のビジョンに対して、かなり盛り上がっていたのです。
私の中では・・・。
ところが、4月1日新入社員入社式。
新たな旅立ちの、記念すべき最初の行事。
なんと、打ち合わせ通りに準備されていない。
しかも、開式時間ぎりぎりになって発覚。
華々しく新人たちを迎え入れてあげようと、私もアイデアを出し、
すっかり準備は進んでいるものだと思っていました。
しかし、担当者の勝手な判断によって、かなりおざなりで
いい加減な設えに変わっている。
カチーン・・・ ブチブチ ブチン・・・
ガオー!
新年度、記念すべき最初の会社行事なのにっ!
新人たちの、記念すべき社会人としての門出なのにっ!
平成25年度、意気揚々とスタートしなきゃいかんのにっ!
あーそれなのに それなのにぃ~っ !!!
言語化してみて、ようやく気付いた私の気持ち。
モヤモヤしていた気持ちの正体。
そんな気持ちを心の奥の方でずっと抱えていたのです。
これで、3日間箱の中。
なんてこった。。。
期待し過ぎると裏切られたときのショックがでかい。
だから、危険。
しっかりと箱の罠に陥っていました。
それを刺激されてボーンと爆発。
そんな箱入り息子状態で、幹部たちの週報に目を通しました。
それを見て愕然。
私にとっては、ひどく箱に入るような事件があったのにも関わらず、
みんなが、随分と充実した週を送り、満足度が高かったなどと
レポートしているのです。
へ?
キミタチ、全然そんな風にはみえませんでしたけど?!
充実していただって?
オレ様がこんなに箱に入っているのに?
箱の中にいると、見える世界が変わってしまう。
どいつもこいつも悪者に見える。
普段は気にならない相手の弱点が許せなくなる。
他人の悪いところは抜群に見えて、良いところは、なぜか
見えなくなる。
箱の外にいても、見える世界が変わってしまう。
どの人も自分と同じ「人」として見ることができるようになる。
相手の弱点だって、それも個性だと思えるようになる。
他人の良いところが見え始め、相手を認め、受け入れることが
できるようになる。
リーダーとして、どちらが良い結果を生み出すことができるか。
答えは歴然。
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■ 編集後記
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箱の罠。
どこに潜んでいるかわかりません。
どこに埋まっているかわからない地雷を踏んでしまうがごとく、それは
突然やってくる。
注意していたって踏んでしまう。
箱を抱える瞬間は、わからないこともある。
そして、爆発して初めて箱を抱えていたことに気づく。
いつの間にやら、入ってしまった箱を持ち歩く。
そして他人に影響を与える。
まるで知らぬうちにサリンをばら撒くがごとく。
私は、ばら撒きたくない。
心からそう思った出来事でした。
嗚呼、反省。