□アービンジャー「箱」NEWS【Vol. 216】2013/6/21
みなさん、こんにちはアービンジャー・ジャパン、
「箱」の真ちゃんこと佐藤真一です。
私が住んでいる千葉でもすっかり梅雨空が続いています。
体調など崩されてはいませんか?
汗っかきの私にとっては湿度も高く、
冷房の効きも中途半端なこの時期はちょっとつらい時期です。
先日も汗が止まらずに何度も何度もタオルで汗を拭っていたら、
顔が少しヒリヒリしてきちゃいました。(汗)
さて今日は、「箱」の真ちゃんこと佐藤真一が担当します。
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■ たとえ離れたとしても : 佐藤 真一
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先日、「箱」セミナーを受講いただいたある企業の管理職・Hさんから
うれしいメールをいただきましたので、
許可をいただいて匿名にてご紹介させていただきます。
読者の方のご参考になれば幸いです。
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ご無沙汰しております。
以前、「箱」セミナーでお世話になりました、Hです。
「箱」セミナー、そしてその後のフォローアップでは、
大変お世話になりました。
まだまだ、実践に落とし込めているかは分かりませんが、
漠然とですが、あの時、「箱」セミナーに意を決して参加できたことは、
今の私に重要なポイントとなっていると感じています。
変われる! と自信をもって言えませんが……
「少しずつでいいので変わっていきたい」
と自然な気持ちで思っています。
さて、このたびメールをさせて頂いたのは、
フォローアップの時にご相談をさせて頂いていたことで、
昨日ある事があったので、
「この報告は真ちゃんにしたい!」
と思ったためです。
自分の気持ちのを言葉(メールですが)にする必要があるように感じて、
そしてそれは、誠に勝手ながら、
真ちゃんにメールをさせて頂きたいと思ってしまいました。
覚えていらっしゃればいいのですが……
私が「箱」に入っている相手であり、
フォローアップの時にたびたびご相談させて頂いた、
当法人が東北に作った事業所の責任者(Uさん)のことです。
「箱」セミナー1日目終了後に、
「月曜日に電話します」
とメールをし、
月曜日に電話をし、私なりに心からの謝罪を伝えましたところ、
「いまそれを言うことで、
Hさんが自分が気持ちよくなろうとしているだけでしょ……」
と言われてしまった相手です。
その後も、そしてUさんが退職の意向を示した後も、
何か出来ないか、と投げかけたりしましたが、
私の中の強力な「箱」はなかなか取りはらえませんでした。
元々Uさんは、私がまだまだ右も左も分からない
新人スタッフの頃からの先輩でした。
仕事をしている時の感性やお客様に全力で向き合う姿勢に、
また時に組織にもぶつかっていく姿勢に、心から尊敬していました。
そして、相手も私の感性におそらく共感してくれる部分があり、
自然と仲良くなって、先輩後輩を飛び越えて、よき友人として、
よく飲みに行ったり、語り合ったりする仲でした。
その後、当法人の被災地復興プロジェクトを2人で立ち上げ、
事業所立ち上げまで持っていって、Uさんもは元々東北出身でもあり、
志願してその地に赴任しました。
Uさんは事業所の責任者、私は本部での事業リーダーとなり、
「Uさんとだから頑張れる!」
と思っていました。
が、昨年1年間は、正直事業として上手くいかない事の方が多く、
Uさんともぶつかることばかりでした。
Uさんからは、
「分かってもらえない」
「伝えても何も変わらない」
「このままだと上手くいかない」
などと言われ続け、私もその真意をわかろうとしませんでした。
ついには、
「一緒にやれる自信がないし、やろうと思えない」
と言われ、退職の意向が年度末に出ました。
私自身、正直Uさんとぶつかることが辛かったですし、
何より一緒にがんばろうと決めたのに、
そこから離れることを決めたUさんに対して、憤りを感じましたし、
そうさせてしまった自分を責めてばかりいて、
ネガティブ思考から抜け出せませんでした。
(今思うと、「箱」真っ只中! って感じですね……)
ただ、「箱」フォローアップの時の真ちゃんの提案により、
100の感謝することを書いた時に、
「自分は、この1年だけでなく、この7年ほど、
どのくらいUさんに色々なもの・色々な想いをもらっていたのだろう、
私は、人として、Uさんが好きなだけなのに……」
と自分の中のもやもやしていたのが、少しずつ晴れていき、
自然な気持ちでUさんと会うことが一度だけできたのを覚えています。
しかし、その後も、決して上手く行ったとは言えず、
6月上旬の最終勤務日まで、Uさんからは、
関わりを避けられているのを感じましたし、
正直言って、私自身もいまUさんと話しても、またUさんから見て、
自己満足的な・一方的なことしか伝えられないような気がして、
また、どこか、本当にUさんが職場から去ってしまうという事実から
逃げたかったのか、Uさんとの関わりを避けていました。
本当は話さなければいけない気もしましたし、
「もしかしたらもうずっと会えないかもしれない……」
とも思ったのに、身動きが取れない状況……。
「箱」に入りっぱなしの自分を擁護するように、
「これでいいんだ。私は十分やった」
などと思って、もう話せなくても仕方ないと思っていました。
ところが先日、東北の事業所での最終勤務日も終わり、
突如として、東京の本部に顔を出すため、
Uさんが来ていたのをみかけました。
それでも、私は逃げるように(笑)、“まわれ右”をして、自室に戻り、
「会わない方がいいんだ……」
と逃げる自分を擁護していたところ……、
Uさんが、私の部屋に来てくれて、少し話をしようと言われました。
冒頭に
「あんまり長く話すことはないけどね!」
と言われたうえで(苦笑……)、
「メールしようと思ったけど、なんかメールはやだなと思って、
話した方がいいかな、と思った」
「私、人としてのHは好きなんだよね。
でも仕事をしているHは嫌いだったから(笑)……」
と……。
そして、私の好きだった先輩Uさんの
芯のあるまっすぐな目で話してくれました。
「今、組織はHのことを認めてくれていると思うし、
信頼してもらえていると思う。
それもいいと思うけど、もっと外をみて、自分の力をあげたり、
チャレンジしたりした方がいいと思う。
30そこそこで認められてポストをもらってそのまま行くと大変だよ。
40、50になった時に壁にぶつかっても
誰も教えてくれないからね……」
そして、
「そうなって、力つけて、お互いその時が来たら、
また一緒に働きましょう」
と言ってくれました。
そして、そして、
「あんまり長く話すことはない」
と言った通り笑顔で、
「じゃーね」
と言って去っていきました。
私は、何も言えませんでした。
何を言っていいか分からなくて、何か言ったら泣きそうだったし、
上手い言葉を並べ立てて、上手く対応はしたくなかったのもあって、
黙って聞いたうえで、ちょっと茶化して一言二言冗談を言っただけで、
最後に「お疲れさまです」と一言だけ言って、彼女を見送りました。
正直、
「やられた」
と思いました。
やっぱりUさんは私の尊敬する先輩で、
私に色々なことを気付かせてくれる大きな存在でした。
「箱」に入って逃げまくっている私のところに最後に来てくれたUさん。
「結局最後の最後には、ちゃんとそばに来て話してくれるんだよな……」
と思って、ちょっぴり悔しいような……。
そして、Uさんの言葉を聞いて、少し目が覚めたような感覚でした。
「保身」と「慢心」
私は、どこか、仕事をしながら背伸びをして、
その背伸びした自分を守るために必死になって……、
そして、幸いにも認めてもらえている今のポジションや仕事のスタイルに
慢心していたのだと思いました。
そのことで、
「いかに一緒に働く人たちに辛い想いをさせたり、
嫌な気持ちにさせていたのだろうか……」
と思うと恥ずかしくなりました。
「自分を無理に強く見せる必要も、
そんな無理に強く見せている自分で満足する必要もなく、
等身大の自分で少しずつ成長していけばいいんだな。
そうすることで、本当の力がつくんだ」
とUさんに気付かされました。
そしてそれに気づけたからこそ、
まだまだ道のりは長いかもしれませんが、Uさんの言うように、
「またいつか一緒に働ける時が来るのではないか」
と思うことができました。
以上、
結局、強力な「箱」に入っていた私を「箱」から出してくれたUさんと、
Uさんと話したほんの2~3分の時間に、
ものすごく温かい気持ちと勇気をもらった話です。
とはいえ、まだまだ、自分を守りたくなりますし、
強く見せようとしている自分、
箱に入っている自分に悩まされる日々ですが、
「箱に入っていなかったら、その日にあったことも
冷静に自分に落としこむことは出来なかっただろうな~」
と箱と出会えたことにも感謝しています。
長文、乱文にもかかわらず、最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
メール書かせていただき、良かったです。
また何かあればご報告させていただきますね。
ますます暑くなってきましたが、どうかご自愛ください。
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Hさん、すごいです!
そして、Uさんもすごい!
そう、何も「箱」を知ったからってうまくいくことばかりじゃないです。
でも、ほんのちょっとだけ違いが出てくる。
それは、
「自分の箱と向き合えること」
そして
「ほんのちょっとだけ自分に素直になれる」
ことだと思うのです。
でも実はこの差はデカイ!
そしてその時にHさんのように
「ものすごく温かい気持ち」
を感じられるのです。
この感覚、本来は誰でも持っているもの。
でも普段、それを忘れてしまっているんですね。
「本当はこの人ともっと仲良くやりたいのに……」
「もっとこの人とは分かり合いたいのに……」
この感情に背いて逆のことをしてしまう。
そして状況はどんどん悪化して……。
でも、HさんとUさんのように、たとえ今までの環境や
物理的な関係性が希薄になってしまったとしても、
お互いを「人」として見て、思いやり続けることができるということ。
「箱」はそんなことに気がつかせてくれるんですね。
あなたはHさんからのメールを読んでどんなことを感じたでしょうか?
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■ 編集後記
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先日、私自身、岩手県で初の箱セミナーを開催してきました。
あれは4月ごろだったでしょうか。
「箱」の本を読み、箱セミナーを受講したいという人が
わざわざ岩手から高速バスに乗り、私に会いに来てくれたのです。
「いつか、岩手でも開催してください!」
って。
で、彼女が私の代わりに会場探しまでしてくれました。
1日目の基礎編だけでしたけれども、笑いあり涙ありの
濃くてあったかい時間が流れました。
おかげさまで、また訪れたい場所のひとつになりました。
もちろん盛岡冷麺も美味しかったですよ。(笑)