□アービンジャー「箱」NEWS【Vol.199】2013/2/15
みなさん。こんにちは
アービンジャー・ジャパンの橋口遼(はしぐちりょう)です。
昨日はバレンタインデーでしたね。
子供の頃はあまりにもこの日を意識しすぎて、
髪型のセットが変になり、みんなからからかわれた覚えがあります。
なつかしいですね。はい。
それでは、早速参りましょう。
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■ 「 おばあちゃん 」 : 橋口 遼
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先日祖母が91才を迎えました。
その誕生日を家族みんなで祝おうということになり、
橋口一家総出で旅館に行きました。
総勢20名弱。
企画したのは、おばあちゃんにとって孫のいとこ集。私たちです。
行き先は鹿児島の温泉旅館。
そこで、温泉に入り、ちょっとだけ豪華な懐石料理でお祝いしました。
久しぶりに家族でおばあちゃんを囲み、
思い出ばなしやいとこたちのカラオケに宴は大盛り上がり。
お祝いの宴の締めくくりは、おばあちゃんへの花束贈呈です。
拍手の中、最年少の従兄弟から花束が贈られると
照れくさそうに受け取り、胸に抱きしめるおばあちゃん。
でも、そこでおばあちゃんの動きが止まりました。
どうしたのかなぁ?
と思ったら、ただでさえ曲がっている腰を、更に曲げて
深々とお辞儀されました。
震える肩、静かに流れ落ちる一筋の涙…。
消え入るような声を振り絞り、ようやく出た
「ありがとう」
の言葉。
私はこの日、おばあちゃんの涙を初めて見ました。
その時私思い出したんです。
うちの母親がおばあちゃんについて話してくれたこと。
私のおじいちゃん。つまり、おばあちゃんの旦那さんは
私の母が小学校高学年の時になくなったそうです。
以来、おばあちゃんは女手ひとつで四姉妹を育て上げました。
そう。うちの母親四姉妹なんです。
いまより、国の体制はもちろん女性の労働環境や育児環境など
整っていない時代ですから、
その苦労たるや想像を絶するものがあります。
おばあちゃんの涙と深々としたお礼の姿に、
そんな慟哭の時代を涙をこらえて耐え忍び、黙々と働き
子供たちを育ててきた苦しみを見たような気がします。
「おばあちゃん、ありがとう」と
私はこころの中で呟きました。
振り向くと私の母も泣いていました。
叔母達も泣いていました。
私たち企画側のいとこ集ももらい泣きです。
私が生まれた時からそばにいるおばあちゃん。
約30年の付き合いだけど、初めてみた一面でした。
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■ 編集後記
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おばあちゃんが最後に一言。
「みんな長生きしてね。いいことあるよ。」
この一言でこんなにも感情豊かに受け取れるなんて、初めての経験でした。