F. I. (社内ファシリテーター)
Arbinger Institute JapanファシリテーターのF.Iです。
「箱」との出会いは、約10年前。本社に異動したことで、慣れ親しんだ業務→不慣れな業務になり、心身ともに疲れ果てて、家族との関係も悪化していた頃でした。家庭では、子供が生まれたばかりで妻もイライラと疲れがたまっていた頃でもありました。「疲れはとれないし、日々のイライラがなくならないどころか増幅されるのは、お前のせいだ!」と、お互いに責め合っていました。それを改善できない自分の意識や行動に悩み、仕事においても成果や利権争いが渦巻く環境に疑問を持ち、疲れも相まって何も手につかない状態になりかけていた時に、この本に出会いました。
みんなこの考えを身につければ、すべての人間関係の悩みが解決して、いろんなことがうまくいく!と確信を覚えました。そこから、自分は「箱」に入っている、外に出るんだ!と本に書いてあったことや感じたことを実行して、仕事でも家庭でも自分にできる事はなんだろうかを考えて行動するようになり、ありがとうと感謝を示すことが増えたように思えます。
その後も、家庭でも仕事でも趣味の場でも、相手をやり込める以外の方法はないのか?と悩むことは続きました。直近では仕事でうまくいっておらず、劣等感にさいなまれたり、得意なことでは強がって傲慢にふるまったりと、「自分に原因があるのでは?」と気づくという「箱」の考え方に立ち戻れない自分がいました。このまま、他人や身を置いている環境を悪者にして、努力しない自分を正当化しつづけることが嫌だなと思っていた時に、セミナーとファシリテーターになれる機会を発見し、思い切って受講しました。
本と出会ってからの10年ほどの中で、もちろんうまくいくこともありましたが、やはり新たな悩みは尽きないものです。それでも、結果として、本当に理解できて血肉にすることができたと感じています。そしてこれからは、成功談もありますが、主に「失敗談と、そこからの学びと気づき」を次の世代や似たような境遇の人に伝えたいと思っています。
このような変化の背景には、「箱」の教えそのもの、そして対面で教えてくれるコーチのような存在が必須だったのは間違いないです。が、一番大きいのは、同じコンテンツを学び、互いに「箱」に抗い外に出ようとしている同期のファシリテーター仲間との出会いと付き
合いでした。これを取っ掛かりに徐々に「箱」から出る時間が増えて、今の自分にできることを探すようになり、今に集中できるようになってきました。おかげで、失敗した自分自身を受け入れることができるようになり、目を背けてきた「現実に流され続けている自分」に気づき、新たな道と希望に向かって歩き出しています。
再度になりますが、今後は、家族(距離が極めて近く日常を共有)、友人(親しい中にも競争心あり)、職場(利権・覇権・ポジション・足の引っ張り合いなど)など違う悩みを抱える中で、我執することなく成果に目を向け続けられる=「箱」から出た状態を少しでも長く増やしたいと思います。そして、その状態に在りながら、その体験を似たような悩みや境遇の人に対して1 人でも多く伝えて、「箱」の外の拓けた景色を伝えていきたいと思います。
最後に、新たな自分の座右の銘や家訓にしたいと考えていることを添えて、一筋の光明になれば幸いです。
「弱さを経験しない強さはない」
失敗は成功の母といわれるように、現状はその気があれば変えられるはずと、私は信じています。